■サッポロ一番塩とんこつラーメンその後
日曜の午後の昼下がり。
私はサッポロ一番塩とんこつラーメンを食べていました。
注)これから先のお話は、まずは以下の記事をご覧になってから読み進めてください
「塩とんこつ」、ああ、おいしいんだけど、物足りない。
「塩とんこつ」と「とんこつ」、たった一字違いなのに全然違う。
ぼそぼそとラーメンをすする私。
いえ、愚痴を言っていてもはじまらない。
私に何かできることはない?
そう、塩とんこつから失われたコクを追加するためのくふう。
例えば、豚肉とかチャーシューを足してみるとか。
だめ。冷蔵庫のなかに肉なんてないわ…
成分表だと脂質に大きな違いがあったから、脂っぽいものを足してみる方向性はどう?
マヨネーズ… マヨラーの私ならできる…?
いや、きっとマヨネーズの酸味が悪さをする。
ココナツオイルは論外ね。
きっと別の食べ物になってしまう。
でも、アジアンな何かになるかも。タイカレーは好物だし。
試してみたい気がするけど、今は「とんこつ味」の再現に集中よ。
ギョーザについてたゴマ油があったはずだけど…
うーん、チャルメラ風になっちゃうかな。
バター!冷凍庫の中にはとっておきのカルピスバターが!
なんだかいける気がする。
よし、バターを投入してみよう、と冷凍庫を開けた私の目に飛び込んできたのは
MOW
…
そうよ…!私にはMOWがあるじゃない!!
愛しのとんこつ味を反芻してみる。
そう、とんこつ味で一番魅力的だと思っていたのは、あの独特のミルク感。ほのかに甘さを含んだ優しい味…
アイスクリームを投入することによって足りない脂質を補い、さらにあのミルク感を追加することができるのではないか。
しかし、ラーメンにアイスを投入するなんて、あまりの暴挙。
2ちゃんねるの飯マズ嫁も真っ青のふるまい。
でもカレーにも隠し味にチョコレート入れるというし!(私は入れたことないけど)
勇気をだすのよ。
どれくらい入れる?
ティースプーン一杯。
投入。
やっちまったわ…!
かきまぜるとアイスはあっという間に溶けてしまった。「I'll be back...」
ここまで来たら引き返せない。
おそるおそるラーメンの汁をすする。
ん?いけるんじゃない!?
ティースプーンもう一杯分のMOWを投入して、いよいよ本丸の麺をすすってみる。
いける、いけるよ!
なんだか「とんこつ味」に近い気がする!
コクとミルク感が追加されているよ!
完全再現ではないけれど。
…完食。
げっふー
やりきった感に浸りきる、そんな日曜の昼下がりでした。
■喪われた「サッポロ一番とんこつラーメン」の話
ここ半年ほどの私の最大のショックは、いつもスーパーの片隅で、5袋入り袋ラーメン特売の際にも仲間に入れてもらえずひっそりと売られていた「サッポロ一番とんこつラーメン」がいつの間にか姿を消していたことです。
サッポロ一番といえば、塩派×しょうゆ派×みそ派の壮絶な戦いがありますが、なぜかその戦いにエントリーされない「とんこつ」。
私は、あらゆるインスタントラーメンの中で、「サッポロ一番 とんこつラーメン」が一番のお気に入りです。
でも、サッポロ一番の話題で知人と盛り上がった時に、とんこつ味の美味しさを力説しても、「え?とんこつ味?そんなの見たことないよ。うまかっちゃんと勘違いしてんじゃね?」とあらぬ疑いをかけられる始末。
私の勘違いではない証拠をお見せ致しましょう。
ほらー
サッポロ一番とんこつラーメンは、とにかくスープが絶品なのです。濃厚なとんこつ味。
うまっちゃんやチャルメラなど、いろんなとんこつ味を試しましたが、サッポロ一番のが一番濃厚。しょっぱすぎない濃厚さの中には不思議な甘みとミルク感があって…
そして、いまどきはやりのもちもち生めん風ではない、子供の頃から食べてきたおふくろの味に近い安心感を醸すやわらか麺。この麺と濃厚スープのコラボはまさに至福の味わい。
そして、麺を食べきった後には、いそいそとご飯を投入し(お行儀わるくて失礼)、とんこつスープを味わいつくのがまた旨し。ああ、お腹いっぱい。
そんな幸せをもたらす「サッポロ一番とんこつラーメン」がもうない!
私は、家に備蓄してあったのを大事に大事に食べました。
そして最後の一袋。ああ、これを食べてしまったら、私の目の前から「サッポロ一番とんこつラーメン」が永遠に失われてしまう…!
とんこつラーメンを失う喪失感で胸いっぱいのままスーパーのラーメン売り場をさまよう私の前に姿をあらわしたのは「サッポロ一番 塩とんこつラーメン」。
差し込む一条の希望の光。
ええ、もちろん5個パックを鷲掴みにして買い物カゴに放り込みましたよ!
黄土色のパッケージが青くなって、「塩」の字が追加されていたのを訝しく感じはしましたが。
そして家に帰っていそいそ調理。いざ、実食!
ちがいます…(涙) 私が求めているあのとんこつ味ではありません…
濃厚さがないのです。うまかっちゃんとブラインドテイスティングをしてもきっとわからない(かもしれない)。
原材料を比べてみました。
黄色く塗ったセルが、両方に共通する原材料です。
ううむ…塩とんこつ味には、魚介エキスがいろいろ入っている。
そしてとんこつ味にあった豚脂が入っていない。
こちらは標準栄養成分表。
エネルギーと脂質の違いが、とんこつ味の濃厚さとの差を如実に表しています。健康志向がもてはやされる昨今、なるべく低カロリーな方がいいのは確かですが、やっぱりね、脂っこいものを食べたい時ってあるんですよ…
キャッチコピーにも違いが。
とんこつラーメン⇒「コクと旨みのこだわりとんこつ」
塩とんこつラーメン⇒「とんこつの旨みと塩のキレ味」
コクが消えとる!
はあ…やっぱりこれが最後の一袋か…と、このエントリーを書くためにラーメン袋を改めてじっくり見たところ、衝撃の事実が。
賞味期限切れとる!
目の前くらくらしましたが、最後の一袋ですもの、食べますとも。
■続編